ご挨拶


 

日本核医学専門技師認定機構は核医学に関連する4つの団体の協議により2005年に発足し,初代理事長から藤埜浩一前理事長まで4人の理事長のもと引き継がれてきました.この間,一般社団法人として本機構の法人化を実現しました.この度,2023年度の総会より新たな体制がスタートするのを機に理事長を拝命し,10名の理事と多くの委員そして核医学専門技師の皆さんとともに新たな歩みを進めることとなりました.

 

本機構は,「統一的基準に基づいて核医学診療に関わる技術者の認定を行い,わが国の核医学技術の国際的な同等性を確保するとともに,最新の医療技術に対応した最善の画像情報を標準的に提供し,安全を担保することで,国民の福祉と社会の発展に寄与すること.」を基本理念として運営されてきました.今後もこの理念を堅持していきながら,次の3つの点について重点を置いて運営していきたいと考えております.

 

はじめに,本機構の本分でもあります「核医学専門技師の認定」です.核医学専門技師の認定試験は毎年約100名の受験者があり,これまで延べ900名を超える核医学専門技師が誕生しました.私自身も初めて実施された第1回認定試験を緊張しながら受験したことを思い出します.今後も,最新の核医学技術を的確に試験のガイドラインに取り入れながら,厳格な認定試験を実施していきたいと考えております.

 

次に,「教育活動の充実」です.これまで本機構では認定試験を受けようと準備されている方々に対する養成講座,核医学専門技師を取得された方々への研修セミナーを実施してきましたが,これに加え,今後さらに重要性の増す核医学治療やPET核医学についても,多職種との連携をしながら外部からも評価される系統立ったシラバスを整備し,長期的な視点での人材育成が実施できるよう教育活動を充実したいと考えております.

 

最後に,「核医学専門技師による社会貢献」です.本邦の核医学診療を技術面から支える人材として,核医学専門技師が貢献できる場を整備していければと思っています.特に社会的な認知や核医学専門技師への社会的要請が高まるように他の認定機構や関連団体などとも連携していきたいと思います.さらに地域における後進の育成に関しても各地域の核医学専門技師が活躍し,次世代の人材育成に関する良い循環が生まれるように単位認定の在り方などに新たな考えを組み込んでいきたいと考えております.

 

日本核医学専門技師認定機構は設立20年を間近に控え,次のステップへの変革期を迎えることとなります.次の10年に向けて皆さんとともに歩みを進めたいと考えておりますので,益々のご理解,ご協力のほどよろしくお願いいたします.

 

 

日本核医学専門技師認定機構 理事長 對間博之(神戸常盤大学)